【子連れにおすすめ】関西万博で食育!「EART MART」パビリオン体験レビュー|見どころ・感想まとめ
子どもたちが未来に出会う「食」って、どんなもの?
環境問題、テクノロジーの進化、そして“いのち”とのつながり。
これからの時代、私たちが向き合う「食」は、これまで以上に深く、大きな問いを含むテーマになっていくのだと感じています。
そんな思いを抱えて訪れたのが、2025年の関西万博。
なかでも気になっていたのが、“未来の食”をテーマにした体験型パビリオン「EARTHMART(アースマート)」でした。
子どもたちの食の未来を、どうすればもっと豊かに、楽しく、そして“自分ごと”として感じてもらえるのか?
日々の親子の食卓や、料理教室・講座の中でも感じる課題を胸に、このパビリオンに足を運びました。
ここで少しだけ自己紹介をさせてください。
私は、「モンテッソーリ教育」と「食育」をかけ合わせた
“食べモンテ®”というアプローチを提案している
食育講師・いしづか かなです。
親子料理教室や大人向けの講座を通して、「食べることは生きること」だと感じられる体験を日常に届ける活動をしています。今回のブログでは、教育者・食育の専門家として、そして一人の母として、EARTHMARTでの体験をレビュー形式でご紹介します。
※この先、一部ネタバレを含みます。これから行かれる方は、事前情報をどこまで知っておきたいかを考えながらお読みくださいね!
🧭 EARTHMARTってどんなパビリオン?|“未来の食”を五感で体験!

「EARTHMART(アースマート)」は、「食を通じて、いのちを考える」がテーマの体験型パビリオンです。
プロデュースを手がけたのは、小山薫堂さん。
映画『おくりびと』や「くまモン」の生みの親としても知られ、物語性のある表現を得意とするクリエイターです。今回の展示では、日々の“買い物”にストーリーを与える「いのちの売場」というコンセプトのもと、ただ情報を並べるのではなく、体験することで気づきが生まれ、問いが残る設計がされています。親子で訪れても楽しみながら学びが得られ、家庭での「食べる」という行為に新たな視点を持ち帰ることができる——
そんな構成になっているのが、このEARTHMARTの最大の魅力だと感じました。
👨👩👧👦 EARTHMARTはこんな方におすすめ!
- 子どもに「食べ物の大切さ」を伝えたいと思っている方
- 日々の食卓に“いのち”を感じるきっかけがほしい方
- 親子で一緒に学べる体験型スポットを探している方
- 食育や環境問題に関心がある方
- 未来の食やテクノロジーに触れてみたい方
- 教育者・保育関係・食育関係の仕事をしている方
- モンテッソーリ教育に関心がある保護者の方
- 夏の思い出に、親子で万博を楽しみたい方
パビリオンの体験時間と回り方のコツ
公式には所要時間40〜60分とありましたが、私はじっくり見て約60分。
お子様の年齢や興味によっては、もう少しテンポ良く回ることもできると思います。展示には多くのQRコードが設置されていて、
その場で読み込むと動画や追加情報を見ることができます。
後からじっくり見返すためにも、気になる展示はQRコードを大きめに撮影しておくのがおすすめです。

※QRコードの内容は動画も含まれていて、これだけでも学べます。
(この画像の大きさだとQR読み込みが難しいので大きめに撮影しておいてくださいね!)
展示は4つのゾーンに分かれている
パビリオン内部は、以下の4つのゾーンで構成されています:
- イントロ映像
- いのちをいただく体験型展示
- 未来の食を見て知る展示
- フィナーレ映像
はじまりと終わりに映し出される映像は、まるで映画のように迫力と感動があり、「食べることの意味」をあらためて深く感じさせてくれます。イントロ映像には、嵐の松本潤さんが登場。
彼が“ごはんを美味しそうに食べる”という、ただそれだけの映像なのですが、なぜだか心に残ります。「食べる」って特別なことじゃなくて、日常のなかにあるよろこびなんだと、あらためて気づかされました。(冒頭の映像は撮影禁止でしたが、だからこそ、記憶に深く残ってそれもよかったです!)
心を動かす、いのちの展示
イントロ映像を抜けた先に広がるのが、「いのちのフロア」と呼ばれる体験型展示の空間です。ここでは、買い物カゴに食材を入れて秤に乗せると、その食べ物にまつわる知識やエピソードがクイズ形式で表示される仕掛けが用意されていて、子どもたちは夢中で遊びながら学んでいました。

たとえば、「日本人が一生に食べる卵の数は、約28,000個!」という展示では、天井から吊るされた無数の卵が、まるでシャンデリアのように迫ってきて、その数のインパクトに圧倒されました。

大人も思わず「へえ〜!」と声が出てしまう展示がたくさん。
でもそれは、ただ面白いだけではなくて…日々の食卓にのぼる食べ物のひとつひとつが、“いのち”であること。私たちは、その命をいただいて生きているという事実。そのことに、楽しんでいる最中にふと気づかせてくれる——そんな絶妙なバランスで構成された展示が続いていました。
親子で感じる「気づき」の場として
私が日々の親子料理教室でも大切にしていることのひとつが、「子どもに、“食べ物は大切なんだ”とどう伝えるか」というテーマです。頭ごなしに教えるのではなく、体験や実感を通じて“感じること”が、いちばん記憶に残る。今回のEARTHMARTは、まさにそれを体現してくれる場所でした。
「食」に興味がある方はもちろん、子どもの感性を育みたい、家族で“いのち”について話すきっかけがほしい——そんな方には、心からおすすめできるパビリオンです。

後半は「未来のフロア」で最新技術に出会える
そして後半、「未来のフロア」では、万博ならではの最新技術の展示が並び、食の専門家として、とても考えさせられる内容ばかりでした。たとえば、「未来のお寿司屋さんはどうなる?」というコーナーでは、人気寿司職人・すきやばし次郎の創業者、小野二郎さんがバーチャルな画面で登場。
養殖魚で握った寿司を紹介してくれるのですが…
- アニサキスフリーの真鯖
- プリン体ゼロの白子
- アレルゲンフリーのエビ
- 小骨なしの穴子
というラインナップには驚きました。
魚の漁獲量が減り、海の生態系を守るためにも、
養殖魚の普及が進んでいく未来。ぱっと見は、品種改良技術によってアレルギーのある人にも優しい、まさに“バリアフリーな食”の世界!……と思いつつも、「人間にとって都合の良すぎる食ではないか?」と、少し違和感も抱きました。

驚きの3Dプリンター技術!
さらに衝撃的だったのが、3Dプリンターを活用した食の未来です。3Dプリンターは、「何を作るか」をプログラミングし、
素材となる“インク”を使って物体を生成する技術。
この技術が、食の世界にも応用されているのです

たとえば、
- タコが原材料のタコさんウィンナー
- ダチョウの卵が原材料の“いくら”
といったように、原材料を粉末にしてインク化し
「食感」や「見た目」などをデータで指定すれば、機械で作り出すことが可能なのだそうです。

人が手をかけて作るのではなく、
機械が“生成する”食…
実は、私は数年前からこのような技術があることは知っていて、とても不自然な食の在り方…と違和感を感じていました。でも、この原材料のインクに「食糧廃棄になる素材を再活用する」という話を聞けばまた見方は変わってきます。

規格外で流通できないお米を粉砕し、インク化して再利用する「再生米」は、フードロス削減に大きな可能性を秘めています。
さらに、栄養や風味を加えることで、
- フレーバー米
- 完全栄養米
といった新たな形にも生まれ変わるのです。この「再生米」は万博内のフードコート「テラスニチレイ」にてすでに提供されています。人が口にすることができるレベルで技術が進化しているんです…
(※数量限定とのことで、気になる方は事前チェックをおすすめします!)
「食」を通して、私たちが考えるべきこと
このような最新技術を目にしながら、改めて感じたのは、
私たちは「食」に何を求め、どう向き合うべきか?ということです。
「自分の喜び」や「健康」だけでなく、
“みんなが幸せになれる未来”のために、どんな選択をするか。
これからの食の在り方は、
個人の好みや便利さだけでなく、
社会や地球とのつながりも意識して考えていかなければなりません。

まとめ|“未来の食”は、私たちの選択から始まる
EARTHMARTでの展示は、たくさんのことを教えてくれたと同時に、
「これから、私たちはどう進んでいきたいのか?」という問いを、静かに投げかけてくれました。
「食べる」という日常の行為を通して、
いのち・技術・環境・社会——
すべてがつながっていることに、あらためて気づかされます。
私たちは、これからどんな食を選び、どんな未来を子どもたちに手渡していくのでしょうか。「おいしい」「たのしい」だけではなく、その先にある“気づき”や“やさしさ”を、真剣に見つめていくことが求められている時代なのかもしれません。
でも…やっぱり、今の時代は忙しさや情報の多さに追われて、「おいしい」「たのしい」さえ感じられない、“とりあえず満たす”だけの食事も増えているのが現実です。

そんな中で、
「ちょっと立ち止まって、食について考えてみる」——
EARTHMARTは、そんな時間を私たちにプレゼントしてくれています。
予約が必要なパビリオンではありますが、
食に関心のある方や、お子さんと一緒に考える時間を持ちたい方には
ぜひ一度訪れてほしいスポットです。
10月までの開催なので、気になる方は早めのチェックをおすすめします。
最後に——フィナーレ映像のメッセージより
EARTHMARTの締めくくりに流れる映像には、
こんな言葉が映し出されていました。
—–

同じテーブルを囲むだけで
何だかみんなが一つになる。
…それが、食のちから。
食べるって、なんだろう?
いっしょに食べれば
心がつながる。
おいしいという幸せが
いのちをつむぐ。
食べるとは・・・
地球という食卓を囲んで
いっしょに生きること。いのちの感謝を込めて・・・いただきます!
みなさんにとっての「食」は、どんなものですか?
みなさんは、子どもの未来にどんな「食」を残していきたいと感じましたか?
私は、子どもたちの未来にたのしくて、おいしい、そして“あたたかいつながりのある「食」”が 広がっていてほしいと願っています。
そんな想いを込めて、「いただきます」に感謝を込める親子料理教室や、食育講座をお届けしています。
みなさんと食の未来について、一緒にお話しできる日を楽しみにしています。
🌱もっと知りたい方へ
▶ 親子で食を楽しむコミュニティ【親子料理部!いただきます】はこちら
https://community.camp-fire.jp/projects/view/423954
▶︎無料で学べる食育講座「食べモンテ入門セミナー」は公式LINEから
https://lin.ee/Cc4ySyE
▶ 耳から学べるVoicy「親子の絆を育む食べモンテのはなし」もぜひ聴いてみてくださいhttps://r.voicy.jp/qEm72X2zK40
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https://www.instagram.com/dekitayo_montessori?igsh=a2czYzBjbHY2ZGFk